ホームステイの思い出 (その4) フライドタロ
私がフィジーでホームステイしたところは、ご主人が中国系で奥さんが現地の女性だった。
確か、赤ちゃんを含めて子供さんが3・4人いたと思う。
そこの食事がどんなものだったか、ほとんど覚えていない。
(インド系の家庭にホームステイした者で、毎日カレーを食べさせられて、
お腹の調子がおかしくなった、という者もいた)
私は好き嫌いが多い割に、食事には無頓着なのだ。
人によっては美味しいものを食べるためには、
何時間も待ったり、どんなに遠いところでもわざわざ出かけるという人もいる。
私はそのタイプの反対側の人間である。
しかし、ここのホームステイで出された食べ物で、一つだけ今だに忘れらないものがある。
それは「フライドタロ」である。大方の人はこれが何かわからないと思う。
なぜなら、これは私の造語だからだ。
「タロイモ」と言えばわかる人もいるかもしれない。南方の地で育つ日本の「里芋」に似た芋である。
要するに、「フライドタロ」とはこのタロイモを揚げたものである。
もちろん、私はこれを生まれて初めて食べたが、これが美味しいんですね。
また作ってもらおう、という希望をもって「美味しい」「美味しい」と2・3回、奥さんに言ったが、
なぜか知らぬが、これが最初で最後だった。