ホームステイの思い出 (その5) お寿司の出来は?
フィジーの語学学校で、1人の女の子と親しくなった。
70男 (当時私はすでに70代だった)と友だちになるなど、
彼女はよほど変わり者だったに違いない。
何回か、私のホームステイの家に遊びに来た後、
彼女は「ここの家族のためにお寿司を作ってあげる」と、
言い出した。よほど寿司作りには自信があるのだろうと思って、
お願いすることにした。
私たちはスーパーに食材を買いに行き、後は全て彼女に任せた。
2時間くらいかかってて、やっと出来上がった。
家族みんなで食卓を囲んだ。
巻き寿司だったが、何か形がいびつで今にも崩れそうである。
味の方はというと、これもイマイチというところ。酢が足りないか何かである。
誰も何も言わない。私も何も言わなかった。彼女も何も言わなかった。
失敗作だったとも。
私は彼女には黙って、後日家族を地元の寿司専門店に連れていった。
彼女の善意の申し出は、私の思わぬ出費となった。