ホームステイの思い出 (その6) どう猛犬
フィジーでの生活で、もう1つ忘れられないことがある。
学校への行き帰りに、放し飼いされたどう猛な犬が私を悩ませた。
私に吠え掛かってくるたびに、追いやっていた。
私が構うから、ひつように吠え掛かるのだと思い、
いつかそれを無視して、通り過ぎようとした。
そうすると、私の背後から踵に噛みついた。
血が出るほどではなかったが、後でよく見ると
足には歯型が残っており、ズボンの裾には歯型の穴が開いていた。
ホームステイの主人にそのことを話したら、大きな棒を私のために用意してくれた。
私はその棒を、その憎き犬が出没する道端に置いておき、私の身を守った。
今でも、その時履いていたズボンを履くことがあるが、その穴を見るたびに
私に襲いかかった災難を思い出す。