ホームステイの思い出 (その7) シングリッシュ
前にも触れたが、私は2・3年前シンガポールでもホームステイをした。
英語と母語のバイリンガル国家ということで、興味があった。
学校・公の機関などでは英語が、家庭ではおもに母語が使われているようだった。
私のホームステイした家庭はマレー系で、
おそらくお互いはマレー語を使っていたと思われる。
もちろん私には英語である。
ここの家庭はご主人、奥さん、娘 (日本に留学しており、私がホームステしたとき、
ちょうど夏休みで帰って来ていた)、それに息子の4人。
奥さんは語学学校の先生で、彼女の英語は割合分かり易かった。
娘の英語もわかりやすかった。問題はご主人と息子の英語である。
はっきり言って、ご主人の英語は私にはほとんどわからなかった。
いわゆる、シングリッシュである。すなわち、シンガポール英語である。
人によって程度の差はあるようだ。ちなみに、シンガポール建国の父である
リ・クアンユーは、ケンブリッジ大学卒業でりっぱな英語を話す。(YouTubeで聴けます)
政府も国民にハッパをかけて英語の改善に取り組んでいるようだが、
効果は上がっていないようである。
それでも、ご主人は暇なとき、私をどこそこ連れて行ってくれた。
彼は私が彼の英語を理解しているのかどうか、いっこうに構わず喋り続けるのである。
あるとき、道の交差点で車を止めていつまでも動かない。何をしているのだろうと、
思ったがやっと分かった。彼はいろいろ説明して、こっちに行けばこういうのがある、
あっちに行けばこういうのがあると、言っているのである。
私はどっちに何があるか分からなかったが、こっちと指さした。