当たりハズレ
私が初めてホームステイしたのは、私がまだというべきかすでにというべきか30代の頃だった。
当時、私は高校の教員をしており、夏休み英語研修プログラム参加の高校生たちを、
アメリカのカリフォルニアに引率した。生徒たちはそれぞれホームステイをして、午前中英語のレッスン、
午後レクレーションなどをした。生徒たちは集まると、それぞれ自分のホームステ先のことを話す。
自分のところにはプールがあるとか、自分のところは週末どこにも連れて行ってくれないとか。
満足している生徒もいれば不満足の生徒もいる。要するに、当たりハズレがあるということである。
しかし、よく考えてみればこれは少々欲張りではないだろうか。受け入れ側からすれば、
どこの骨ともわからない者を、自分の家に招き入れるのである。高校生のような可愛い子ならまだしも、
私のようなヨボヨボのジジーを受け入れるのには、相当の勇気がいるはずである。感謝、感謝。